祇園祭 山鉾その30「役行者山」

修行僧の祖といわれる役行者が一言主神を使って、葛城と大峰の間に橋をかけたという伝承に因んでいるのが「役行者山(えんのぎょうしゃやま)」です。御神体は役行者を中心に、一言主神と葛城神の三体を安置しており、他の山と比べてひとまわりほど大きいつくりが特徴です。山に立てる朱傘も普通は1本ですが、こちらでは2本になっています。ご利益は「疫病除け」「交通安全」 「安産」。鈴鹿山と共に山鉾町最北に位置しています。

水引は「唐子遊戯図」綴錦、前掛は牡丹胡蝶文と雲龍文との3枚継ぎ、そして見送は「金地唐美人遊図」綴錦です。胴懸・角房の飾金具は黒漆塗板に28宿の金具を打った独特なもの。欄縁は雲龍文の透高浮彫の細工が前面に施されたとても緻密なものです。余談ですが、ストライプの衣装もとても素敵です。

23日2時ごろには、修験道の大本山「聖護院門跡」から50名ほどの僧侶を招き、町会所前で護摩焚きが執り行われます。毎年の巡行の無事を祈る恒例行事となっていて、辺りは大変な混雑になるとか。護摩焚きが鉾町のあの狭い路地で行われるなんて信じられないですね。また、山では期間限定で祇園祭の名物「役行者餅」が発売されます。こちらは東山区の老舗「柏屋光貞」のもので、なんとこのお店の店主ご自身が山伏の行者なんだそうです。人と人が繋がる、それが祇園祭。

役行者山
住所:京都市中京区室町通三条下ル役行者町
山建て:7月20日 午前8時~
授与品:粽、御守、御摩木、竹札ストラップ

祇園祭 山鉾その28「浄妙山」

平家物語の宇治川の合戦をテーマにしているのが「浄妙山(じょうみょうやま)」です。一寸法師が三井寺の僧兵・筒井浄妙の頭上を飛び越える一瞬をあらわしています。浄名坊の頭には木片のくさびを用いていて、一寸法師は見事に左手だけで固定されています。法師が空中を飛んでいる様はダイナミックで非常に格好良いです。欄間には川の流れをあらわす波涛文の彫刻、山上には何本もの矢が刺さってあるなど合戦の様子が忠実に再現されています。

以前、浄妙坊が着用していた鎧「黒韋威肩白胴丸」は、室町時代に制作された本物の鎧で重要文化財に指定されています。前懸は長谷川久蔵筆「桜図」、後懸は長谷川等伯筆「楓図」を原画とし近年新調しています。見送は町内に住んでいた本山善右衛門による雲龍文様の「かがり織」です。

一寸法師が浄名坊を飛び越え人より抜きん出ようとするところから、浄妙山のご利益は「勝運」とされています。受験や勝負事に挑もうとする人に大人気です。こちらの変わった授与品として粽型の携帯ストラップがあります。また、2012年には「祇園勝ち飴」や「干菓子」などが新たに販売され、こちらも完売となったといいます。時代に合わせて色々増えていくグッズを見るのも楽しいものです。

浄妙山
住所:京都市中京区六角通烏丸西入骨屋町
山建て:7月20日8時30分〜
授与品:粽、御守り、手ぬぐいなど