京都みなみ会館で映画を観る。

京都みなみ会館は近鉄東寺駅から徒歩2分の映画館です。

パチンコ屋の2階にあるので建物外壁にはギラギラとネオンが輝いていて、どこからどうみても映画館には見えません。現在は1階のパチンコ屋は休業しているらしく、その駐車場に映画館利用者は無料で停めることができます。

看板脇の階段を上がると、食堂で食券を売っているような地味な券売機。ここで当日券を買ってロビーへ。狭くて小汚くて雑然とフライヤーとポスターがいたるところに置かれている。この雰囲気は個人経営のライヴハウスに近いです。原則として持込飲食はこのロビーのみ。上映中は館内購入品のみ飲食可だそうです。

ロビーの雑然とした雰囲気と違って、劇場内の座席は意外にもキレイで、スクリーンも音響もかなり良い感じでした。1つのスクリーンで1日5〜7本くらいの色々な映画を上映しています。ロードショーから単館系から自主制作から古今東西いろいろです。

今回は、BANKSY(バンクシー)監督「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」を観ました。バンクシーは、現代アートに関心のある人なら誰もが知っているグラフィティアーティストのトップスターです。そんな彼が初監督したグラフィティアートのドキュメンタリー映画がどんなものなのか、ずっと公開を待ち望んでいました。彼以外にもスペース・インベーダーやゼウス、シェパード・フェアリーらも登場。

物語はビデオカメラで四六時中撮影しまくるという変わった趣味を持つ古着屋店主のティエリー・グエッタが、実従兄にあたるスペース・インベーダーのストリート・アートを撮影したことにはじまります。スペース・インベーダーのストリート活動に感動したティエリーは、それから毎晩のようにストリート活動へ同行して、ゼウスやシェパード・フェアリーら数多くのグラフィティ・アーティストたちの制作風景(※軽犯罪行為)をビデオカメラで記録し続けました。何年も何年も。これらの映像は撮りっぱなしで放置されていました。何年も何年も。

しかし、ちょっとしたきっかけでバンクシーのLAでのストリート活動を手伝うことになったティエリーは、ディズニーランド事件などの危機を乗り越えていつしかバンクシーの信頼を得るようになります。そして、ついに何年も撮りっぱなしで放置していたビデオテープから編集作業をして、グラフィティアートの映画を作りました。ティエリーの編集した映画を見たバンクシーは、出来上がった映像のヒドさに驚き、彼に「取り合えずテープは置いていって、グラフィティアートをやってみれば?」とすすめます。ここから映画は急転。ティエリーはミスター・ブレインウォッシュとしてストリート活動を開始。バンクシーたちを撮り続け、ときには見張り役として、ときには助手としてその全てを体験してきたティエリ。ストリート活動にすっかりハマってしまった彼の暴走は止まらず、何と自分の古着屋を処分してお金を作ると、いきなり大規模なショー「Life is Beatiful」を開催。しかも大成功してしまう。ショーの現場で苦笑いするシェパード・フェアリー。

バンクシーは「最初は映画のタイトルを『クソのような作品をバカに売りつける方法』というタイトルにしたかった」と語っています。ミスター・ブレインウォッシュや自分の作品をバカみたいに高い金で買っているアート・コレクターたちに対する皮肉が込められています。映画の冒頭でティエリーが自分の古着屋を「ちょっと珍しい古着はデザイナー物として売る。仕入値の100倍で売れることもあるよ」と語っているシーンもアートシーンを揶揄してるのだと思います。

90年代、グラフィティ・アートが急速にその影響力を拡大していった背景にあるのは「デジタルカメラ」と「インターネット」の普及にあると思います。それまでは、外壁や縁石に描いたグラフィティ・アートは見つかれば、すぐ消されたり上書きされたりして、どんな傑作であっても短期間で無くなってしまうのが当たり前でした。しかし「デジタルカメラ」が登場したことで、人々は路上のグラフィティ・アートを簡単に安価に記録することができるようになりました。フィルムカメラとのコスト差は歴然です。刹那の生命だったグラフィティ・アートは、デジタルデータとして記録されることで半永久的な作品寿命を手にしたのです。さらにデジタルデータ化されたグラフィティ・アートはインターネットを通じて、世界中の人々の目に止まるようになりました。時間的制約と空間的制約の呪縛から解放されたグラフィティ・アートはその影響力を勢いよく拡大させていきました。そして「ストリート」を必要としなくなったグラフィティ・アートが、その表現の場をギャラリーやミュージアムにまで展開していったこと、ファイン・アートとして評価されたことは、当然の流れです。

この流れは、「デジタルカメラ」と「インターネット」の機能が融合した「スマートフォン」によってさらに加速しています。NYの路上に描かれたグラフィティ・アートを直後に世界中のどこからでも片手で見れるようになりました。画面というフィルタを通して、他国の街を眺めている物理的距離感が「落書き」という犯罪行為に対する感情的な嫌悪を抑えて作品価値へ目がいくように仕向けているような気もします。

グラフィティ・アートを日本で地下道の壁などに描くことは「器物破損罪」にあたり「3年以下の懲役または30万円以下の罰金」に課せらる明確な犯罪です。各国でも同様に犯罪です。ちなみにバンクシーの弁護士は「バンクシーが壁に落書きした場合、その壁の資産価値は上がるのだから器物破損にはあたらない」と主張しています。実際にバンクシーが描いた壁が切り取られてアートオークションに出品されて数百万円とか数千万円という単位で取引されています。

映画を見てミスター・ブレインウォッシュの存在を疑った人は、彼の公式サイトへ。ミスター・ブレインウォッシュは著作権侵害で色々な人たちに訴えられて裁判で敗訴したりしつつ、マドンナのアルバムアートワークを手がけたり、そのストリート活動は現在も続いているようです。最近では東日本大震災チャリティーもやってくれました。

東映太秦映画村のある京都は「映画の都」です。他にも京都ではここでしか観れない映画がたくさん上映されているので、ホームページやTwitterを定期的にチェック!!

京都みなみ会館
住所:京都市南区西九条東比永城町79
電話:075-661-3993
ホームページ:http://kyoto-minamikaikan.jp/
Twitter:https://twitter.com/minamikaikan

毎月25日は北野天満宮「天神さん」

学問の神様である菅原道真公をお祀りしている「北野天満宮」。人々からは「天神さん」の名で親しまれています。学業成就の神さまとして修学旅行生が訪れる神社ですが、毎月の縁日にあたる25日には、参道に屋台が並び周辺道路にもぐるりと市が立って、特に大勢の参拝者たちで賑わいます。

菅原道真公の誕生日である6月25日と薨去2月25日に因み、毎月25日が縁日となっています。境内だけではなく周辺にも沢山のお店が賑わい、辺りは何だかとても賑やか。聞けば約1000店もの店が並ぶそうです。「着物」「骨董」「古着」「衣料品」などを扱うお店が大半を占めますが、ジャンク品や昭和の品々・西洋アンティークなどのお店もちらほらみられます。数あるお店からお気に入りを探すってやっぱり醍醐味。「手作り市」とは一味違い、手頃な値段で長時間楽しめることができるので家族連れなどには良いかもしれません。近所の方がフリーマーケットしていたり、通りのお店屋さんが野菜や乾物を販売していたのがとても印象的です。何だか懐かしい地元に久々帰った気分。日没からは350燈の石灯籠に火が灯され、また違った雰囲気の縁日を楽しむことができます。特に桜の季節はオススメです。

毎月25日おこなわれる天神さんですが、1月25日の「初天神」と12月25日の「終い天神」は例年約15万人の参拝者が訪れるといわれる特別なものです。「初天神」は、新春の一番の天神さんとして入試を控える受験生・父母などの参拝が多く見受けられるそう。時期的に白梅・紅梅が咲き始めるころで、その梅の美しさも堪能できるといわれています。終い天神はお正月の祝箸やお屠蘇が授与され、参道にはこの日だけ「新巻鮭」「〆飾り」「葉ボタン」などのお正月用品も立ち並びます。一年中を通して、色々な楽しみ方ができる天神さん。いつでも足を運びたくなる、そんな親しみ深い縁日のひとつです。

2011年10月1日追記:北野天満宮の関連記事
 北野天満宮「ずいき祭 -神幸祭-」
 野菜で作った「ずいき神輿」

北野天満宮
住所:〒602-8386 京都市上京区馬喰町 北野天満宮社務所
電話:075-461-0005
拝観時間:9:00~17:00 ※縁日は6:00~21:00頃まで
拝観料:境内無料(宝物殿は有料・300円 1/1・12/1・毎月25日・4/10~5/30)
ホームページ:http://kitanotenmangu.or.jp/