艶やかに時代行列「櫛まつり」

京都祇園にある安井金比羅宮(安井神社)にて、2011年で51回目になる「櫛まつり(くしまつり)」が行われました。神社ではなく全て「京都美容文化クラブ」が主催し実行しているお祭りです。毎年9(く)月第4(し)月曜日に開催されています。

最初に13時頃から神社境内北側にある「櫛塚(久志塚)」にて、古くなったり傷んだりした櫛や簪へ感謝の祈りを捧げる「櫛供養」の式典が参列者全員で行われます。櫛という日用品にも魂を見い出して感謝する日本人らしい心尽くしは、時代が変わっても失ってはいけない大切な気持ちだと思います。櫛塚に祈ると美に関するご利益もあるそうです。

拝殿にて上方舞の「黒髪」が奉納されました。艶物の代表的な女舞で、恋にやつれた女性の哀れさや艶やかさが表現された日本舞踊です。お座敷に居るような独特の仕草でしっとりと潤んだような美しい舞です。

そして「古墳時代〜奈良時代〜平安時代〜鎌倉時代〜室町時代〜桃山時代〜江戸前期〜江戸中期〜江戸後期〜明治時代〜大正時代〜現代舞妓」に至る各時代の髪型と衣装に身を包んだ女性たちによる「時代風俗行列」が祇園界隈をぐるりと練り歩きます。全てカツラを使わず地毛で結いあげているそうです。美しい黒髪。基本的には各美容室のお客さんがモデルをしていますが、中には本物の舞妓さんや本業のファッションモデルさんも参加しています。

安井金比羅宮を出発した行列は、東大路通を北上して八坂神社の前を通過し、新橋通をずっと西へ進み、大和大路通まで来たら折り返して白川南通を東へと戻りました。ここで暫しの小休止となり玉垣の前で撮影会っぽくなりました。10分ほど休んで再出発した行列は花見小路通を建仁寺までずっと南下して、安井金比羅宮へと戻り終了となりました。行列の順路は毎年変更されるようです。今年は神社を出発して戻ってくるまで約1時間半くらいかかったと思います。行列に参加された皆さん本当にお疲れさまでした。どの時代の衣装もモデルさんもとても美しかったです。来年も開催を楽しみにしています。

その他の写真:WEB京都写真集「櫛まつり

櫛まつり
日時:毎年9月第4月曜日
主催:京都美容文化クラブ
会場:安井金比羅宮
住所:〒605-0823 京都市東山区東大路松原上ル弁天町70
拝観料:無料

下鴨神社「印章祈願祭」に舞う

10月1日「印章の日」を記念して、平成23年9月25日に下鴨神社にて「印章祈願祭」が行われ、橋殿で十二単衣の着付と王朝舞が奉納されました。普段は有料の十二単衣の着付と王朝舞が無料で拝観できるとあって、境内には大勢の見物客が集まっていました。

橋殿で十二単衣(じゅうにひとえ)の着付が披露されました。衣紋者(えもんじゃ)と呼ばれる介添人が、白小袖に紅の長袴姿の御方(おかた)に、単(ひとえ)、五衣(いつつぎぬ)、打衣(うちぎぬ)、表着(うわぎ)、唐衣(からぎぬ)、裳(も)を重ね着していき、帖紙(たとう)を懐にしまい、檜扇(ひおうぎ)を手渡せば十二単衣の着付は完成です。

そして、衣紋者の二人が橋殿から退場して「王朝舞」が奉納されました。

「踊り」ではなく文字通りに優雅に「舞う」美しい所作です。

最後は奥ゆかしく顔を檜扇で隠したままスッと橋殿から降りました。十二単衣の着付と王朝舞ですが、事前に予約をすれば下鴨神社でいつでも特別拝観(詳細)することができます。料金は1回4万円で80人まで同時拝観できます。詳細は下鴨神社の社務所にお問い合わせください。

王朝舞の奉納後、印璽大神(おしでのおおかみ)を祀った末社「印納社(いんのうしゃ)」にて、永年使用した古印章をご祈祷した後、印納社の裏にある石碑に奉納します。この「印納社」がある辺りは、平安時代〜室町時代まで「賀茂斎院御所」のあった由緒ある場所です。「京印章」は、漢の時代、印章最盛期に作られた鋳銅印の流れを受け継いでおり、漢印篆(かんいんてん)を主体とした重厚で雅味ゆたかな印章が多いのが特徴です。代表的なものとして「天皇御璽」「大日本国璽」などの印があります。日本における印鑑の歴史は驚くほど古くて『日本書紀』にもその記載があるほどです。

普段何気なく使っている印鑑ひとつにも、大きな歴史の息吹を感じました。

印章祈願祭
主催:京都府印章業協同組合
日時:平成23年9月25日12時〜16時
問合せ:075-343-3288
会場:下鴨神社