そうだ 京都、行こう。2013春は「妙心寺退蔵院」

毎年春が近づいてくると、今年のJR東海「そうだ、京都へ行こう」キャンペーンはどの社寺なるのだろうと話題になります。今年は洛西の名刹「妙心寺 退蔵院」でした。広大な敷地の中に46もの塔頭寺院が立ち並ぶ妙心寺の中でも600年もの古い歴史を持つお寺です。

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JR東海のCMに取り上げられてるとあって、寺院は大勢の人々で賑わっていました。土日はものすごい行列になったこともあったようです。山門をくぐり、ルートに沿って歩くと、見えてくるのはCMでもお馴染みの紅しだれ桜です。ほのかにピンク色した桜を見るとその可憐さに思わず笑みがこぼれます。観光客達はこの桜をいかにうまく写真におさめようとそれぞれ工夫を凝らしていました。昭和の小堀遠州とのいわれる造園家・中根金作氏より3年の月日をかけて作庭されたここ「余香苑(よこうえん)」は、奥行きのある庭園として見れるように随所に工夫が施された名庭です。余香苑門の右手には黒砂の「陰の庭」、左手には白砂の「陽の庭」があり、その上を紅しだれが覆うように咲くのがまた桜の美しさを際立たせています。桜は全部で3本あり、奥の茶室では桜を堪能しながらお抹茶なども楽しめます。オススメです。

そして、退蔵院といえば国宝に指定されている「瓢鮎図(ひょうねんず)」です。本堂前に飾られた瓢鮎図は、山水画の始祖ともいわれている如拙(じょせつ)が足利義持の命により心血を注いで描いたもので彼の作品の中で最高傑作ともいわれています。「鮎」は中国由来で「なまず」を意味します。「捕まえにくいなまずを瓢箪でいかに捕まえるか」という矛盾をどう解決するか将軍・足利義持は当時の京都五山の禅僧31人に参詩を書かせたといいます。いかに答えを出すか、それが禅問答ということなのでしょうか。

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特別拝観の目玉として、今回本堂に上がり枯山水庭園「元信の庭」を眺めることができました。室町時代の画聖・狩野元信による作品で、背景には土塀を使わず、やぶ椿や松などの常緑樹と竹で抽象的な美しさよりも一年中変わらない「不変の美」をあらわしています。今春は夜のライトアップも催され、夜桜も堪能できたようです。来年はぜひこちらも訪れてみたいものです。ここ退蔵院は誰かにそっと教えたくなる、そんな魅力に溢れるお寺の一つです。

妙心寺 退蔵院
住所:京都市右京区花園妙心寺前35
拝観時間:9時〜17時
拝観料:500円
ホームページ:http://www.taizoin.com/main.html