祇園祭 山鉾その14「南観音山」

善財童子が文殊菩薩の指示で南へ行き、53人の聖者を訪ね菩薩道修行したという説話に由来しているのが「南観音山」です。女人禁制だった山への立ち入りを早くに解禁したり、囃子方に女性が初めて加わるなどの柔軟性は、時代と共に変わっていく祇園祭の姿に良く似ていています。御神体は北観音山と同じ楊柳観音、また善財童子も祀っています。北観音山が「上り観音」と呼ばれるのに対し、南観音山は「下り観音」といわれています。江戸時代では北観音山と隔年交代で巡行していたので二つの鉾には多くの共通点があります。


(2012年7月13日:南観音山曵き初め)

宵山の夜10時ぐらいから各山鉾町では明日の山鉾巡行の晴天を祈る「日和神楽」が囃子方により行われます。そして、その後南観音山のみで行われる深夜の行事「あばれ観音」があります。

日和神楽から戻った囃子方はすぐに法被に着替え、台座にしばりつけられ布でぐるぐる巻きにされた本尊の楊柳観音の御輿を担ぎます。神輿を激しく揺らしものすごいスピードで駆け回り町内を3週します。まだ見たことない謎の行事、かなり気になります。「山鉾巡行で静かに座っていてもらうため前日に暴れさせる」や「大好きな北観音山の観音様への恋心が巡行当日に暴走しないようにするため」など諸説あるそうですが、正しい説もいつ頃から始まったかも不明だそう。今や宵山最後の行事として、深夜にもかかわらず大勢の観光客で町内は溢れかえるそうです。

江戸時代から続く宵山の風情をどこよりも色濃く残している南観音山。日が落ちロウソクが灯り、子供達が童歌を歌うそんな宵山の風情も魅力の一つです。巡行の際には、北観音山同様後方に柳の枝が飾られてます。こちらは厄除けのお守りになるので、山鉾巡行後戻ってきた町内では争奪戦が始まります。南観音山は非常に見所が多い鉾です。自分だけの祇園祭の楽しみ方をぜひ探してみて下さい。

※2012年の巡行から「大船鉾」が復帰し、巡行の最後を行くことになりました。南観音山はくじとらずの山としてこれから巡行します。

南観音山
住所:京都市中京区新町通錦小路上ル百足屋町
山建て:19日午前6時〜
舁き初め:20日15時