祇園祭 山鉾その15 「保昌山」

武勇に和歌にとマルチな才能を持った藤原大納言元方の孫・平井保昌が、恋する和泉式部のために御所の紫宸殿の紅梅を手折ってくる姿をあらわしているのが「保昌山(ほうしょうやま)」です。保昌は宮中に忍び込み紅梅を一枝手折りますが、北面の武士に見つかり矢を放たれてしまいます。何とか無事に梅を持ち帰り恋を実らせて和泉式部を妻に迎えたという情熱的な恋物語が有名で、ここ保昌山は縁結びの山として女性から絶大なる人気を誇っています。以前は「花盗人山」と呼ばれていたそうです。

胴懸や前懸、後懸の一部は、江戸中期の画家・円山応挙の下絵を基に製作されたもので見事な刺繍の逸品です。下絵は屏風に仕立てられて保存してあり、宵山で披露されています。他の水引、前懸、両胴懸はいずれも刺繍なので、刺繍美を楽しめる山でもあります。見送の「福禄寿星図」も新調され、さらに美しさが際立っています。

縁結び護符付き粽や縁結び御符の販売期間は宵々々山から宵山(7/14〜7/16)の3日間だけなので、早々に売り切れてしまうことも。ご利益は各山鉾町で異なりますが、縁結びとなるとここだけなので早めが鉄則です。ご神体の保昌が沢山の梅の花を持ち巡行する姿は、恋する気持ちはいつの時代も変わらないということをそっと語ってくれているのかもしれませんね。誰かに恋してる人に必見の山です。

保昌山
住所:京都市下京区東洞院通松原上ル燈籠町
山建て:12日9時〜
授与品:粽、手拭い、絵馬など