パワースポット巡礼「晴明神社」

平安時代の天才陰陽師として名高い・安倍晴明(あべのせいめい)を祀るのが上京区にある「晴明神社」です。神社は晴明の屋敷があったとされる場所に建てられています。晴明は天文陰陽博士として活躍していました。度々の戦火に遭いながらも、多くの崇敬を集めて復興に至っています。境内には熱烈な参拝者が全国から詰めかけます。

特にパワースポットとして有名なのが境内に入ってすぐの右手にある「晴明井」です。晴明の念力によって湧出された井戸といわれており、病気平癒の力があるとされています。「晴明井」の写真を携帯電話の待受画面にすると運気が上がるとテレビで放送されたことで、休日には写真を撮る人で混雑することもしばしば。平日の午前中なら空いているのでゆっくりと参拝できます。他にも「厄除け桃」を撫でたり、「顕彰板」で10の伝説を読むことができたりと、狭い境内ながらも京都観光の名所になっています。

鳥居、提灯、拝殿などの随所に五芒星にも似た「晴明桔梗紋」(桔梗印)が神印され、晴明神社に来たという実感が湧いてきます。境内の花壇には桔梗が植えられ、7月〜8月には五角形の青紫色の花が可憐に咲きます。余談ですが、キキョウの根はサポニンを多く含むことから古来より生薬として利用されてきました。去痰、鎮咳、鎮痛、鎮静、解熱作用があるとされ、現代でも消炎排膿薬や鎮咳去痰薬などに使われます。陰陽道には「漢方医術」の知識も含まれるのかもしれません。

晴明は幼いころから、賢明で多く道に秀でていたそうで、中でも天文暦学の道を深く極め、神道を思いのままに操る霊術を身につけていたといわれています。成人後には天才陰陽博士として活躍し、朱雀帝から村上、冷泉、円融、花山、一条の六代の天皇の側近として仕え、数々の功績を残していることは有名ですね。そもそも、陰陽道とは古代の中国の学問であり、陰陽五行の理にもとづき日本で独自の進化を遂げた自然科学から呪術に至るまでを包括したものだそうです。難しいですが、現在の日常生活の基準となる年中行事や暦術・占法はすべてこの時につくられたものなので、私達の生活とも強く結びついています。奈良時代から平安時代にかけて行われた二回の遷都は、陰陽師達によって土地の吉凶判断がおこなわれていたりと、今では考えられないような時代ですよね。

生まれた年や家系などに諸説ある謎の多い安倍晴明ですが、出生に関してとても興味深い話をひとつ。晴明は父・安倍保元と母・葛葉明神の化身である白狐との間に生まれた子であるとの説があります。つまり狐の子。正体を知られ、森へ帰った母狐から受け取った秘宝の水晶玉のおかげで、晴明は世の中の出来事を知ることができたともいわれています。この話は人形浄瑠璃や歌舞伎などの題材にもなっています。多くの伝説が残っていますが、実際はどれが本当かどうかは分かっておらず、その内容が過ぎた時間と共に大きくなってしまっている感じなのでしょうね。

謎だらけの陰陽師。素敵な響きですね。式神を華麗に操り、多くの災難から人々を助けるなんて平安のヒーローですよね。華やかな宮中は優美な世界だと思われがちですが、その裏では出世のために人を呪い、ありとあらゆる手段で相手を蹴落として権力を掴もうとする。人を憎む嫉妬する心が鬼となり、そういった心を鎮めるために晴明は陰陽師として働いていたのでしょうね。京都って本当に奥が深いです。

余談ですが、晴明神社の神職は社名の誤字に悩んでおられるそうです。「清明神社」や「晴名神社」は間違いです。「晴明神社」が正解です。

晴明神社
住所:〒602-8222 京都市上京区堀川通一条上ル806
TEL:075-441-6460
ホームページ:http://www.seimeijinja.jp/
拝観時間:9:00~18:00
拝観料:無料
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KYOTO PHOTO ALBUM:晴明神社