伏見稲荷大社「宵宮祭」と「本宮祭」2011年

今年で1300年目を迎える京都の伏見稲荷大社は、日本全国に3万社とも6万社とも言われる「お稲荷さん」の総本宮です。毎年7月に営まれる「本宮祭」の前日「宵宮祭」の夜には、稲荷山をはじめ境内の全域に散在している石灯篭と数千灯もの献納提灯に明かりを点ずる「万灯神事」が行われます。

境内を照らす灯篭と提灯の明かりによって、昼間以上に別世界に来たような気分になります。「本宮祭」と「宵宮祭」の両日ともに、外拝殿及びその周辺で日本画家や地域の子どもたちの奉納による行灯画(あんどんが)が四百点以上も展観され、「本宮祭」になると参集殿前の広場で本宮踊りが賑々しく奉納されます。今年の参道の提灯には「震災復興」と書かれた短冊が吊るされていました。

稲荷社では狛犬ではなく白狐が神使として鎮座しています。「稲荷神=狐神」と勘違いされている方が多いですが、白狐はあくまでも使者です。稲荷大社では主祭神の宇迦之御魂神(うかのみたまのおおかみ)は別名「御饌津神(みけつのかみ)」と言われ、また狐の古名が「けつ」であることから、御饌津神を「三狐神」となり、白狐は稲荷神の使者とされました。ところが時代が下ると、白狐は命婦の格(朝廷の屋敷の出入りが可能となる格。)とされ、夫婦円満と縁結びの命婦神として祀られるようになりました。縁切りで有名な「鉄輪社」の横には縁結びの「命婦稲荷社」が祀られています。

「宵宮祭」のときに潜る「千本鳥居」は一段と格別です。少し怖いくらいです。この「千本鳥居」を抜けると「奥社奉拝所」があり、ここで稲荷山三ケ峰を遥拝します。側には「おもかる石」と呼ばれる石灯篭があり、願い事の成就可否を念じて石灯篭の空輪(頭)を持ち上げ、そのときに感じる重さが、自分が予想していたよりも軽ければ願い事が叶い、重ければ叶い難いとされています。

余談になりますが、京阪本線の伏見稲荷駅は柱や柵が朱色に塗られていて、電車を降りた瞬間から「伏見稲荷大社に来た」という感じがして、とても良いです。こういう来た人を楽しませる工夫が観光地には必要だと思います。

伏見稲荷大社
宵宮祭 日時:本宮祭の前日 18:00〜
本宮祭 日時:7月土用入後の最初の日曜日か祝日 9:00〜
ホームページ:http://inari.jp/

関連リンク
 →伏見稲荷大社「宵宮祭」と「本宮祭」2012年
 →伏見稲荷大社の絵馬にみんなカイジ描き過ぎ。