龍安寺「方丈庭園」で禅問答。

「石庭」で有名な臨済宗禅寺「龍安寺」は世界文化遺産に登録されています。宝徳2年(1450年)に細川勝元が創建しました。「石庭」こと「方丈庭園」は作者も作庭年代も不明となっています。エリザベス女王が1975年に「方丈庭園」を絶賛したことが海外で報道されて以降、外国人観光客の定番スポットになっています。

「方丈庭園」には、絵画における遠近法の技巧を取り入れた2つのトリックが仕掛けてあります。ひとつは庭に置かれた石の大きさ。手前には大きい石を、奥には小さい石が置かれています。もうひとつは庭を囲む油土塀の高さ。実は少し斜めになっていて、手前が高く奥へ向かって徐々に低くなっていき、手前と奥の高低差は50cmもあります。「手前を大きく奥を小さく」描くのは遠近法の基本です。この2つのトリックによって「方丈庭園」は実際よりも広い空間として感じられます。

「方丈庭園」を眺めていてもそこに「ハプニング」は起こりません。物事を予期しない方向に連れて行き退屈感を緩和するようなことは何も起こらないのです。しかし「方丈庭園」には何も起こらなくても、それを見ている自分自身の内部には何かが起こります。それは「枯山水」が水が無いことで逆に水を感じるかのような哲学的な体験です。

「石庭」の脇には、水戸黄門が寄進した蹲踞(つくばい)の複製品が置かれています。四方に描かれた「五・隹・矢・疋」文字は、中央の水穴の「口」を共用することで「吾唯知足」と成ります。禅問答なので意味は自分で考えてみてください。正解はあるようでありません。それが禅問答です。

「鏡容池」にある「水分石(みくまりいし)」は池の水位を測るために置かれた石です。晴れた日には亀が日向ぼっこしています。参道は苔むした森があるので雨の日も風情があって良さそうです。「方丈庭園」へと伸びた枝垂桜や桜苑を鑑賞できる春もオススメですし、もちろん秋には紅葉が楽しめます。お寺に庭園があり山野を借景しているのは、もしかしたら「四季の移ろい」を身近に感じさせることで、「命の移ろい」や「輪廻転生」を悟らせる狙いがあるのかもしれません。

追記:一般公開はされていませんが「大珠院」からしか渡れない「鏡容池」の小島には、真田幸村夫妻の墓所と五輪塔があります。


(※何も起こらない動画です。起こるとすればそれは貴方自身の内部においてです。)

龍安寺
住所:京都市右京区竜安寺御陵ノ下町13
拝観料:500円
駐車場:1時間まで無料
ホームページ:http://www.ryoanji.jp/