祗園祭 山鉾その3「菊水鉾」

室町時代末、町内にあった千利休の師・武野紹鴎(たけのしょうおう)邸内の井戸「菊水井(きくすいい)」が名前の由来となっている「菊水鉾(きくすいほこ)」。幕末の1864年には兵火にて焼損していますが、1952年に焼け残った装飾品部材を使用して再興されています。中国河南省の菊水の水を飲んで700歳の長寿を得たという「菊慈童」の故事によって作られた鉾といわれ、稚児人形はその菊慈童の舞姿となっています。ご利益はもちろん「不老長寿」です。

鉾頭には金色の透かし彫りの十六辨菊華(じゅうろくべんきくか)を付け、真木(心柱)には藍地に金の字で「菊水」と浮き彫りされた額が付けられています。屋根は山鉾唯一の「唐破風造り(からはふづくり)」で、破風(はふ)には極彩色鳳凰の懸魚(けぎょ)が輝いています。翠簾(すいれん)を下げているところも菊水鉾の特徴です。皆川月華作の「飛鶴図」の前懸、「孔雀図」の見送、「唐獅子図」の胴懸の美しさは必見です。再興後、年々装飾が充実していることから「昭和の鉾」とも呼ばれているそうです。

菊水鉾町では毎年7月13日~16日の期間、鉾会所にてお茶会が催されています。以前は生菓子が用意されていましたが「祇園祭にちなんだお菓子を」という声が高まり「したたり」というお菓子が作られました。以来、菊水鉾に献上する御菓子としてお茶会でも使われているそうです。「したたり」をつくり上げたのは町内の菓子屋「亀廣永(かめひろなが)」、二代目・西井新太郎さん。つるんとした琥珀色の見た目が涼しげで夏にぴったり。寒天菓子の一種で、程よく弾力があり、口に入れたらほろりと崩れる食感が独特なのだそう。祇園祭の宵山の時期には一日約七千人分を作ることもあるそう(!)。通年で販売されていますので、食べてみたいかたはぜひお店まで足を運んでみてくださいね。

今年はここ菊水鉾の粽を購入しました。菊水鉾町内は活気に溢れ、祭りを楽しもうという雰囲気がとても漂っていました。狭い路地から巨大な鉾を実際見ると、やはり迫力があります。幼稚園の子供達がたくさん遊びに来ていたのも印象的です。各鉾ごとに色々な楽しみ方ができる祇園祭。知れば知るほど、町の人との結びつきを感じずにはいられません。

祇園祭山鉾連合会 菊水鉾保存会
住所:中京区室町通四条上る菊水鉾町
鉾建て:7/10 9:00~
曳き初め:7/12 15:00~ 

「亀廣永」
住所:〒604-8116京都市中京区高倉通蛸薬師上ル和久屋町359
TEL:075-221-5965
営業時間:9:00~18:00 定休日:日曜日・祝日