京都・宇治灯り絵巻2011「平等院」

10月8日〜10月10日まで宇治川上流と京都府立宇治公園一帯で開催された「京都・宇治灯り絵巻2011―物語の里に灯す 未来への祈り―」の一環として期間中に、世界遺産に登録されている「平等院」の特別夜間拝観が有料で行われました。

18時の開門時には既に秋夜の帳が下りていました。門をくぐって浄土式庭園に足を踏み入れた先には、思わずため息の出る幻想的な光景が広がっていました。昼間は快晴の日でも阿字池の水が藻で緑色に濁っているせいで、水面に映った平等院鳳凰堂はボンヤリとしか見ることができません。しかし今夜の暗闇の中では違います。漆黒が周囲を包み込んで夜空と阿字池の境界線を溶かした黒一色の世界の中に、灯りに照らされた鳳凰堂とその鏡姿だけが柱の一本一本までもハッキリと浮かび上がっています。一瞬ですが天地の分からないほどの浮遊感に目眩がしてきます。

庭園の自分が立っている此岸から、鳳凰堂の中で阿弥陀如来像が座している彼岸を眺めていると、ふと気付く視線があります。それは阿字池に映った阿弥陀如来像の視線でした。まるで常世(とこよ)から水面を通して現世(うつしよ)の我々をじっと覗き込んでいるような。いま自分の生きている世界が池に映っているのか、それともこの池に映っている世界こそが実体で、自分たちの生きている世界はただの影法師に過ぎないのではないか。そんな気持ちになります。

この感覚を言葉や写真だけで表現するのは限界があります。あの場に行ってもらうしかありません。ぜひ次回の平等院特別夜間拝観の際には必ず足を運んで今夜の私と同じような感動を味わってください。余談ですが、カメラの三脚は使用不可なので手ブレを抑えるのに必死で両腕筋肉痛です。

 その他の写真:WEB京都写真集「京都・宇治灯り絵巻2011」

平等院特別夜間拝観
開催期間:平成23年10月8日〜10月10日(18時〜20時半)
住所:〒611-0021 京都府宇治市宇治蓮華116
ホームページ:http://www.byodoin.or.jp/
夜間拝観料:600円

京都・宇治灯り絵巻2011―物語の里に灯す 未来への祈り―
開催期間:平成23年10月8日〜10月10日(18時〜21時)
会場:宇治川上流・京都府立宇治公園一帯
主催:宇治市観光協会
ホームページ:http://www.kyoto-uji-kankou.or.jp/

京都では毎年12月に嵐山でも「京都・嵐山花灯路」が開催されます。今年は12月9日〜18日(17:00〜20:30)まで点灯され、歩道や史跡がライトアップされます。こちらもぜひお越し下さい。