赤穂義士を弔う「瑞光院」

JR東海の「そうだ 京都、行こう。」2011年秋のキャンペーンでフューチャーされている紅葉の名所「毘沙門堂」へ向かってJR山科駅から真っ直ぐと上る旧参道らしき道路を、徒歩で10分ほど上がっていくと、道の左側にひっそりと大徳寺派「瑞光院」があります。

観光地化に全く力を入れていないお寺さんなので、うっかりすると通り過ぎてしまう控えめな門構え。塀越しに「浅野稲荷」の鳥居と社が見えるのでそれが目印です。門にはいつも木柵がしてあるので通用口から境内へと入ります。境内はとても狭いので大勢での参拝は控えましょう。

瑞光院は『忠臣蔵』と関係が深い寺院です。墓所中央には浅野内匠頭長矩、その右脇に大石内蔵助、左脇には四十六人の戒名が刻まれた「赤穂義士遺髪塔」(※寺坂吉右衛門は切腹していないのでその名は刻まれていない)、その周囲を義士たちがぐるりと囲んでいます。この「赤穂義士遺髪塔」は、1702年に討入を遂げた翌年2月に切腹をする数日前、瑞光院宗海禅師が義士四十六人から髷を遺髪として預かり、当時の瑞光院の浅野内匠頭長矩の墓所脇に遺髪を埋めて建てた供養塔です。


(堀川紫明交差点そば)

その後、浅野家所縁の武士たちがこの地(現在の上京区の瑞光院前町)に住みついて、主君の墓と遺髪塔を守ったと伝えられていて、現在の瑞光院前町の住民たちはその武士たちの末裔とされています。現在の山科区の瑞光院は1962年の堀川通拡張工事の際に上京区から転地してきました。上京区の瑞光院跡地は大日本スクリーン製造の敷地になっていて、2005年に「瑞光院・赤穂義士遺髪塔跡」の石碑が建立されています。石碑は堀川紫明交差点すぐ側にあります。この堀川通を北に少し歩くと「小野篁と紫式部の墓所」があります。

実は堀川通を西に入った妙蓮寺にも「赤穂義士遺髪墓」があり、こちらは寺坂吉右衛門が京伏見の片岡源五右衛門に託した遺髪を、浅野内匠頭長矩の三回忌にあたる1704年に片岡の姉が妙蓮寺で弔ったものです。その後300年間の雨風で風化した墓石は2002年になって再建されています。

山科区には大石内蔵助を祀った「大石神社」もあり、毎年12月24日には「義士祭」が行なわれ、総勢300人の「義士行列」が山科の街を練り歩きます。

 →その他の写真:WEB京都写真集「瑞光院

瑞光院
住所:京都市山科区安朱堂ノ後町19-2
拝観料:無料
駐車場:なし

瑞光院跡地:大日本スクリーン製造(株)
住所:京都府京都市上京区堀川町寺之内上4
ホームページ:http://www.screen.co.jp/
拝観料:無料
駐車場:関係者のみ

妙蓮寺
住所:上京区寺ノ内通堀川西入ル
ホームページ:http://www.eonet.ne.jp/~myorenji/
拝観料:境内無料、方丈庭園500円、収蔵庫300円
休日:毎週水曜日、年末年始