金星から来た魔王「鞍馬寺」

叡山電鉄の鞍馬駅から徒歩数分の鞍馬寺は、天狗や牛若丸の伝説など数々の謎と神秘に満ちた京都北方のパワースポットです。1949年に天台宗から独立して鞍馬弘教総本山となっています。現在の信仰形態は、仏教よりもっと自然崇拝に近い、おそらくは仏教伝来以前から鞍馬山にあったであろう山岳信仰を土台にしたような独特の気配があります。毎年5月に営まれる「五月満月祭(ウエサク祭)」もネパールなどの山岳信仰に少し似ています。あくまでも個人的な感想です。

仁王門で入山料200円を払って境内へと入ります。すぐにケーブルカーの駅があるので、体力に自信が無い方はぜひケーブルカーを利用しましょう。徒歩30分かけて登れる方は、本殿まで行く途中に毎年10月に営まれる「鞍馬の火祭」で有名な「由岐神社(ゆきじんじゃ)」や、曲がりくねった「九十九折参道」があります。

本殿金堂には本尊である尊天(毘沙門天・千手観世音・護法魔王尊の三身一体)が祀られています。本殿金堂の地下には「清浄髪奉納祈願所」があり、広い空間に小さな骨壷のような容器が無数に並べられています。そこに自分の毛髪を分身として奉納して祈願します。遺髪ではないので供養ではなく祈願です。

そして「奥の院・魔王殿」へと続く参道へ。ここから先は山登りです。トレッキングコース程度の簡単な整備はされていますが、参道(山道)のいたるところから木の根が出ている上に雨露で泥濘んでいるところも多く、かなりキツい道程です。たまにハイヒールを履いた観光客も見かけますが、絶対にスニーカーなどの歩きやすく滑りにくい靴をオススメします。お年寄りには麓の入口で杖も貸し出しているので使った方が良いでしょう。

険しい山道を乗り越えながら「源義経もこの山道を登って修行したのだろうな」などと遠い歴史に思いを馳せます。途中には源義経ゆかりの「背比べ石」や「義経堂」などの観光スポットがいくつかあります。そして最後にあるのが「奥の院・魔王殿」です。現在の小堂は1945年に再建されたものです。ナント、650万年も前に金星から地球に降り立ったという護法魔王尊を祀っています。小堂を側面から見ると土台や周囲に不思議なカタチの奇岩が転がっていますが、これらは数億年前のウミユリやサンゴの化石です。数億年前この鞍馬山は赤道付近の海底だったそうです。山中の竜神池には、天然記念物のモリアオガエルや生きた化石のムカシトンボなども生育しています。地質学的・生物学的にもこの鞍馬山は重要な研究対象になっています。

 →その他の写真:WEB京都写真集「鞍馬山と鞍馬寺

「奥の院・魔王殿」から山道を30分くらい西に下っていくと、貴船川そばにある西側入口に出ます。西側入口からさらに徒歩5分で「貴船神社」の本宮に到着します。西側入口から鞍馬寺へ登ることもできます。今回は「叡電鞍馬駅–(徒歩5分)-→鞍馬寺仁王門–(徒歩10分)-→由岐神社–(徒歩20分)-→本殿金堂–(徒歩25分)-→魔王殿–(徒歩30分)-→貴船神社–(徒歩30分)-→叡電貴船駅」と徒歩での観光に挑戦してみましたが、けっこうキツかったです。しかし、この一帯は神秘と自然の不思議な魅力に満ちているので、季節が移ったらまた行こうと思います。鞍馬寺はオススメです。

鞍馬寺
住所:京都市左京区鞍馬本町1074
非公式ホームページ:http://kuramadera.com/
入山料:200円
注意:奥の院まで参拝する方は登山の服装で。