150年ぶりの「附曳神事」

12月26日に貴船神社(※過去記事)の奥宮本殿解体修理事業に伴い、雪が残る寒冬の白に覆われた境内で、特殊神事である「附曳神事(ふびきしんじ)」が営まれました。

奥宮本殿の真下には、誰も見てはいけない「龍穴(りゅうけつ)」があります。これを人目に晒すことなく解体修理作業を行うために、奥宮本殿を東側の「権地(ごんち)」に曵き移す神事が「附曳神事」です。当然ながら奥宮本殿修理のときにしか営まれることはないので、この神事が営まれたのは150年ぶり。神職の話によると次にまた営まれるのはおそらく150年〜200年後になるだろうとのことでした。

12月3日に御仮殿に神御は遷されているので、まずはそこでお祓いと玉串奉納が営まれました。その後に、奥宮本殿の前に全員が移動して「附曳神事」が始まります。この神事の最中は、奉仕員・参列員、境内にいる全ての人間は「一切言葉を発してはならない」とされていて、神事の間は皆が榊の葉を口に咥える習わしになっています。なるほど、これなら口を開けて音を発する心配がありません。

奥宮本殿の西側の裾に龍穴を覆えるサイズの作業用シートが結び付けられています。本殿は既に移動可能な状態に転棒で浮かせてあるので、氏子さんたちが綱を曵くと奥宮本殿がズズっと動き始めます。奥宮本殿がゆっくりと動くのに合わせて、口に紙を咥えた神職たちがシートを龍穴に被せて、龍穴が絶対に誰からも見えないように気をつけます。こうして無事に奥宮本殿は権地へ移されました。ここで全て解体し、使える古材は出来るだけ保存して、古い形態のまま改修されて新たな奥宮本殿が建てられます。

紅葉の時期も良いですが、観光客がグッと減る冬の貴船神社一帯も、真っ白な雪と苔の緑とのコントラストに風情があります。すごく寒いですが。

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貴船神社「附曳神事」
日時:2011年12月29日11:00から
住所:京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
開門時間:5月ー11月は6時から20時、12月ー4月は6時から18時
ホームページ:http://kibune.jp/jinja/
拝観料:無料