祇園祭 山鉾その8「函谷鉾」

「くじ取らず」として毎年全体では5番目、鉾としては長刀鉾に次いで2番目を行くのが「函谷鉾(かんこぼこ)」です。中国戦国時代の四君の一人孟嘗君(もうしょうくん)が、家来に鶏の鳴き真似をさせて函谷関(かんこくかん)を脱出したという史説に因んだ鉾です。

鉾頭の三日月と山形は山中の闇をあらわし、真木の上端近くには孟嘗君、その下に雌雄(しゆう)の鶏を祀っています。前縣の「イサクに水を供するリベカ」は、旧約聖書創世記の一場面を描いたベルギー製の毛綴錦で重要文化財のタペストリーです。見送りの弘法大師筆と伝えられる紺地金泥(こんじきんでい)の「金剛界礼懺文(こんごうかいらいさんもん)」、水引の「群鶏図」も名品と名高いものです。

函谷鉾は天保10(1839)年に始めて稚児人形を用いた鉾としても知られています。天明の大火で鉾を消失して50年後、ようやく復興を果たします。しかし、稚児を乗せるほどにまでは至らず、しばらくの間ということで仏師・七条左京作の稚児人形「嘉多丸(かたまる)」を乗せての巡行が始まったいわれています。また曳き初めと山鉾巡行以外で、女人禁制を最初に解いたという革新的な鉾でもあります。こういう話を聞くと、鉾を何だか身近に感じます。変わりゆく祇園祭、毎年祇園祭から目が離せませんね。

函谷鉾(かんこぼこ)
住所:下京区四条通烏丸西入函谷鉾町
鉾建て:7月10日~12日
ホームページ:http://www.kankoboko.jp/