春の大報恩寺「千本釈迦念仏」

毎年12月の「大根だき(だいこだき)」で有名な「千本釈迦堂」こと「大報恩寺」では、毎年3月22日に「千本釈迦念仏」が営まれています。今年は桜の開花が遅れているのか境内のおかめ桜はつぼみだけです。

「千本釈迦念仏」は兼好法師『徒然草』にも記されていて、700年以上前の文永年間(1264-75)に如輪上人が創始した大報恩寺に伝わる特別な法要です。釈迦の涅槃の日(旧暦二月十五日)に釈迦の最后の『遺教経』を誰にでも分かり易く一語一語、訓読みで律(ふし)を付けて奉詠し、お経の終わりには「南無釈迦牟尼佛」と、釈迦の名号を声明の古律で唱えます。

国宝である本堂の中には「涅槃図」も特別に公開されています。どのお寺さんでも「涅槃図」は特別公開される日が限られていますが、機会があればぜひ見比べてみると良いと思います。清凉寺や本法寺でも同様の「涅槃図」を拝見しましたが、同じ場面を描いていても絵師によってその表現は様々です。

ともすれば難解なお経や教えを、人々に分かり易く伝えるための工夫として考えられた読経スタイルのようです。「読む」と「歌う」の中間ぐらいの感じで、複数の僧侶によるユニゾンによって生み出される独特の高揚感は素晴らしいと思います。

千本釈迦堂「千本釈迦念仏」
日時:毎年3月22日(14:00)
場所:千本釈迦堂(大報恩寺)
住所:〒602-8319京都市上京区五辻通六件町西入ル溝前町1305
境内拝観:無料
霊宝館:500円