触れると祟られる「土蜘蛛塚」

北野天満宮そばの東向観音寺には、触れると祟られてしまう「蜘蛛灯籠」を奉った「土蜘蛛塚」があります。現在は手前に柵が設けられて立入禁止になっているエリアの菅原道真公母君御廟とされる石造五輪塔の南側にあります。

境内にある「謡曲史跡保存会高札」によると「この蜘蛛灯籠は、もと七本松通一条にあって、源頼光を悩ませた土蜘蛛(つちぐも)が棲んでいたところといわれた。明治年間に、この塚を発掘したところ、石仏や墓標の破片したものが出土し何等参考となるものはなかった。そのときの遺物が、ここにある「火袋」で、当時、ある人が貰いうけ庭に飾っていたところ家運が傾むき”土蜘蛛の祟り”といわれたので、東向観音寺に奉納したという。なお「土蜘蛛」とは我が国の先住穴居民族で背が低い、まるで土蜘蛛のようだったといわれる。」とのことです。


(歌川国芳『源頼光土蜘蛛の妖怪を切る図』)

どうやら「土蜘蛛」は妖怪などではなく、天皇勢力へ恭順しなかった土着豪族に対する蔑称のようです。元々の語源も蜘蛛と関係無い「土隠(つちごもり)」であったとされています。となると、源頼光が退治したとされる酒呑童子や土蜘蛛の妖怪退治伝説も当時の為政者とその反体勢力との争いがモデルになっている可能性が高いです。そして反対勢力を討ち滅ぼした為政者たちがその恨みと呪いを恐れて塚を奉じて祀ったのでしょう。

京都市北区紫野十二坊町にある上品蓮台寺には頼光を祀った源頼光朝臣塚があり、これは土蜘蛛が巣くっていた塚だといい、かつて塚のそばの木を伐採しようとしたところ、その者が謎の病気を患って命を落としたという怪奇話がのこされています。

北野東向観音寺
住所:〒602-8385 京都市上京区今小路通御前通西入上る観音寺門前町863
TEL:075-461-1527
ホームページ:http://www5.ocn.ne.jp/~kannonji/