椿が咲く頃にまた行きたい「雙栗神社」

駐屯所と工場と倉庫と団地が立ち並ぶ大久保田原交差点のすぐ近くにある「雙栗神社(さぐりじんじゃ/双栗神社)」に行ってきました。

雙栗神社は佐山双栗に鎮座し、『延喜式神名帳』に記載されている神社で、『三代実録』貞観元年(859)正月27日の条に見える雙栗神と考えられていま­す。一帯は羽栗氏族勢力の土地で羽栗氏の祖神を祀った氏神社として元来は「羽栗神社」だったのが「羽」の字が伝写の間に草書の「双」に訛ってしまって「双栗神社」となったという説もあります。

中世以降は石清水八幡宮の分霊を祀ったことから椏本(あてもと)八幡宮と呼ばれました。重要文化財に指定されている本殿の規模と形式は、石清水八幡宮の分霊を祀ることから三間社(正面­の柱間が三間の本殿)流造に造られています。屋根は檜皮葺(ひわだぶき)で、正面に向拝を付けています。本殿の斗供間には向かって左に「花と鳥」右に「紅葉と鹿」を彫刻し­た蟇股(かえるまた)があります。また脇障子の上部には「りすとぶどう」をあしらった精巧な彫刻が施されています。現在の本殿は明応3年(1494)に建てられたものとされています。

クスノキの語源は「奇(くす)しき」で古代より霊木として尊ばれてきました。雙栗神社の大クスノキは本殿北側にあり、樹高30メートル­、根元の回り9.8メートル、目通りの幹回り535センチメートルの巨樹で樹齢は500年です。クスノキの傍らには稲荷の祠が祠られ、クスノキには­注連が張られるなど、神木として保護されてきたことが分かります。根元に立って樹冠を見上げるとその大きな生命力と長い時間を感じます。

例祭は毎年10月9日に2基の神輿が渡御していたが、昭和9年に室戸台風被害に遭った後に廃止となり、今は神霊を御幣に移して旅所に巡行することに改めたそうです。昔は宇治田原の三郷山まで神輿が渡行し「三郷祭」にも参加していたそうで雙栗神社の長い歴史を感じさせる話です。

雙栗神社の近所には「椿寺」として知られる「浄安寺」があります。雙栗神社も参道や本殿の周りにはツバキが植えてあったので冬の1月頃に行けば美しい本殿と赤いツバキを観ることができるでしょう。

雙栗神社(双栗神社)
住所:京都府久世郡久御山町佐山双栗
拝観料:無料