巨大破魔矢の「吉利倶八幡」

小野の観光名所である「勧修寺」の近くにあるのが「吉利倶八幡(きりくはちまん)」です。
例祭は10月第3日曜日、前日の宵宮や祭当日には屋台もあります。

正式名称は「八幡宮」です。平安時代(853年)の創建と伝えられ、応神天皇、仲哀天皇、神功皇后を祀っています。江戸時代までは勧修寺の鎮守社でした。元々は小野地域の産土神を祀っていた場所のようです。「吉利倶八幡宮」という愛称は、かって境内の老杉が倒れたため、材木にしようと裁断したところ、切断面に梵字の中の「吉利倶」の3文字があったことに由来しています。現本殿は江戸時代(1695年)の建築で、この時の大工は勧修寺の宸殿等を造営していることから勧修寺が元禄時代に復興された際に合わせて再建されたと考えられていて、京都市の有形文化財に指定されています。

拝殿の両脇に立っているのは竹で造った巨大な破魔矢です。社務所の神職の方にもこの巨大破魔矢の由来ははっきりしないそうです。個人的な推測ですが「八幡神(やはたのかみ、はちまんじん)」は武士から武運の神「弓矢八幡」として崇敬を集めていたので、そこにルーツがあるのではないかと思いました。巨大破魔矢は日本各地の神社の祭事でしばしば観ることができますが、吉利倶八幡のように常に置かれているのは珍しいと思います。

山科区(市営地下鉄沿線)では「勧修寺」「随心院」「醍醐寺」などが有名な観光名所になっていますが、この「吉利倶八幡」や「坂上田村麻呂の墓」などの隠れた名所も点在しています。京都観光の上級者を目指すなら、あるいは地元民なら欠かさずチェックしてください。山科は桜の樹が多いですが、隠れスポットには観光客がほとんど訪れないので、春の桜吹雪をこっそり独り占めできます。

吉利倶八幡
最寄駅:市営地下鉄東西線小野駅徒歩5分
住所:京都市山科区勧修寺御所内町94
電話:075-571-4387