宇治観光その1「平等院鳳凰堂」

京阪電鉄・宇治線の「京阪宇治駅」を出ると、目の前に広がるのは広大な「宇治川」。橋を渡りながら遠くに見える朱色の橋が、時間を現在から過去へといざなってくれます。広大で美しい川、京都の歴史は水と共にあります。物思いにふけながら平等院参道を歩いていると、お茶の焙じる香ばしい香りに思わずうっとり。ここはお茶の香りが「かおり風景百選の道」にも選ばれている素敵な場所。さすがお茶のまち・宇治。ここで一息ついて、平等院へと向かうことにしましょう。

平安後期の1052年、時の関白・菅原頼道が父である道長の別荘を寺院に改めた場所が「平等院」です。対岸にある「宇治上神社(うじがみじんじゃ)」と共に世界遺産に認定されています。その翌年に「阿弥陀堂」が建立され、翼廊と尾廊を持つ優美な姿と大棟の両端に鳳凰を乗せていることから「鳳凰堂」の名で呼ばれています。十円玉の表側のデザインとして、すっかりおなじみですね。阿弥陀堂の前は池を配した浄土式庭園となっていて、扉が閉ざされていても、格子窓により仏のお顔が池の向こうからからくっきりみえるように工夫されています。池の上に浮遊するかのように建つその姿は、まるで極楽の宝池に浮かぶ宮殿のよう。長い年月をかけて積み上げられたその美しさは、年を重ねる人生そのものの美しさに似ているような気がしました。また、庭園には四季ごとに色とりどりの花を楽しむことができます。藤、ツツジ、そして平等院蓮と呼ばれる他では見ることのできない花も愛でることができますので、そちらもお忘れなく。

境内南側には「平等院ミュージアム鳳凰館」があります。国宝の建築・彫刻・絵画・工芸が集積し、最新のデジタル技術を駆使したCG映像展示の備えもある新時代型のミュージアムです。ほの暗い室内の中に浮かぶ展示物は貴重なものばかりで、思わず見入ってしまいます。中でも極楽浄土に向かう人々へ音楽を奏でながら送るという「雲中供養菩薩」は心に残るものでした。

大人なって分かる良さというものがあります。ここ平等院ではそういうことを感じる瞬間が多くありました。京都旅、一足伸ばして宇治までどうぞ。さて、次は宇治川を通って宇治上神社へ。そしてあの源氏物語の世界をご案内します。

平等院
住所:〒611-0021 京都府宇治市宇治蓮華116
TEL:0774-21-2861
ホームページ:http://www.byodoin.or.jp/haikan.html
拝観料:入園+鳳凰館(平等院ミュージアム)600円 鳳凰堂内部拝観は別途300円
拝観時間:平等院庭園 8:30~17:30、鳳凰館 9:00~17:00、鳳凰堂内部 9:10~16:10

2011年10月10日追記:「京都・宇治灯り絵巻2011」の一環として「平等院特別夜間拝観」が行われました。まさしく極楽浄土を彷彿させるその幽玄な写し姿については、京都・宇治灯り絵巻2011「平等院」の記事をお読みください。