奥嵯峨「緑一面の苔庭・祇王寺」梅雨時にオススメ

梅雨どきは外へ出るのも億劫になりがちですが、今日は雨の日にこそ出かけてほしい奥嵯峨の祇王寺をご紹介します。平清盛の寵愛を受けた白拍子の「祇王」が清盛の心変わりにより都を終われるように去り出家、入寺した悲恋の尼寺とされ、あの「平家物語」にも登場するのが祇王寺です。白拍子とは、平安時代に白い水干に立烏帽子の男装姿で、当時流行した「今様」を歌いながら舞を舞った女性のことです。もとは法然上人の門弟良鎮によって創始された往生院という寺でありましたが、荒廃がすすみ、ささやかな尼寺として残ったといいます。

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坂を上りひっそりとした山門を抜けると、一面の苔庭が広がっています。雨あがりのしっとりとした濃い緑の美しさと生命力あふれいる姿が、ただただ見事でその場に立ち尽くしてしまいました。緑、自然とはこんなにきれいなのかと思うひとときとなりました。

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一周するのに数分という小さな草庵が輝くのは、いまの梅雨時だといいますが、どの季節に訪れても忘れられない場所となるような気がします。梅雨時に来たいとずっと思っていましたが、それはもちろんすばらしく、記憶に刻まれるものとなりました。

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草庵の仏間には本尊である大日如来、清盛公、祇王、祇女、母刀自などの木像が安置されています。吉野窓と呼ばれる丸型の大きな窓は影が虹の色に見えることでも有名です。

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悲恋の尼寺といわれますが、祇王の後に寵愛を受けた「仏御前」は、祇王の不幸を無情に感じ自ら出家を決意。その後は共に暮らし往生の本懐を遂げたといわれています。さまざまな思いが交差した歴史を思い過ごすのも良いかもしれませんね。訪れるのはぜひ午前中で。

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祇王寺
住所:京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32
拝観時間:9時~16時30分
拝観料:300円
HP:http://www.giouji.or.jp/

京都・嵯峨嵐山の虚空蔵法輪寺「十三まいり」

京都・嵯峨嵐山の虚空蔵法輪寺では、毎年「十三まいり」が営まれています。幼少年期より青年期に移ろうとする人生の転換期に、虚空蔵菩薩から智福を与えてもらい技芸に長じさせ給えと守護祈願する行事です。わたしは関東育ちなので全く知らなかったのですが、関西では七五三よりも一般的のようです。

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男女とも数え年13歳の身祝いで、古来は法輪寺の本尊である虚空蔵菩薩と縁が深い旧暦3月13日(現在の4月13日)に参詣するのが一般的でしたが、現在では3月13日~5月13日と10月1日〜11月30日の期間中に参詣できるようになっています。

女の子は、十三まいりで初めて本断ちの振袖を着ます。そして半紙などに自分が大切にしている漢字一文字を筆で書いて供えます。その後に祈祷を受けたら両親へ感謝の言葉を伝えます。

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「十三まいりの帰路に本堂を出てから渡月橋を渡り終えるまでに、後ろを振り返るとせっかく授かった智恵を返さなければならない」という言い伝えがあります。参拝した子供に母親が「絶対に後ろ向いたらいかん」と言い聞かせていました。

法輪寺
住所:〒616-0006 京都府京都市西京区嵐山虚空蔵山町68−3
TEL:075-862-0013
ホームページ:http://www2.ocn.ne.jp/~horinji/
最寄駅:JR嵯峨駅より800m、嵐電嵐山駅より500m、阪急嵐山駅より200m

(以下は余談です)
世界的にも13歳は成人扱いされる年齢らしく、ユダヤ教などでも13歳男子と12歳女子は「バル・ミツワー」と呼ばれる成人式を経て、晴れて大人社会の仲間入りをするようです。日本と同じ年齢なのが興味深いですね。

日本古来からの成人式としては「元服」が有名です。年齢に特に決まりはないようで6歳〜20歳と幅広く行われていたようです。一族の始祖が元服した年齢に合わせる氏族もいたようです。もしかしたら虚空蔵法輪寺の「十三まいり」もこの地域の始祖の元服年齢と関係があるのかもしれません。

 →梨木神社「元服式」
 →上賀茂神社「幸在祭」