時代劇ロケ地の旅、流れ橋(上津屋橋)

名作時代劇のロケ地として有名な「流れ橋(上津屋橋)」に行ってきました。

撮った写真をモノクロにしてみました。ここ「流れ橋(上津屋橋)」大覚寺と並んで時代劇ロケ地の大定番です。宮本武蔵、水戸黄門、座頭市、必殺仕事人、銭形平次、暴れん坊将軍、陰陽師、新撰組、鬼平犯科帳、などなど数々の名シーンがこの流れ橋を舞台に撮影されました。現在の橋脚は全73基ありますが、そのうち久御山町側17基がコンクリート製になっています。写真を撮るときはこのコンクリート橋脚側が映らないような角度から撮ると雰囲気が良いと思います。

木津川を挟んだ久御山町と八幡市を結ぶこの木造橋は、橋長356.5m、幅3.3m。現存する「流れ橋」として日本最長を誇っています。「流れ橋」とは、橋桁を固定せず橋脚に載せるだけにすることで、台風で増水したときは橋桁が川面に浮かんで流されるという柔構造になっている橋のことです。さらに橋桁はロープで橋脚とつながれているので、橋桁は増水のたびに流されても失われず復旧作業の効率と経済性も考慮されています。立ち向かうのではなく受け流してやり過ごす。これは自然災害に対する人類の完成されたひとつの解法だと思います。

現代でも流れ橋は流されています。昨年の9月3日の台風12号によって橋桁が流出。計74基のユニットのうち64基が流出(21基が損傷)し、さらに橋脚5基が流失してしまいましたが、今年4月27日に復旧しました。流されるたびに「恒久的な橋を架けては」と議論になるそうですが、橋の建設費には数十億円の巨額費用がかかるし、下流に行けば幹線道がある。そこで今回も府は5000万円で木造のまま復旧させたそうです。なるほど。例え10回流されても5億円で済むのだから現代においても流れ橋の経済性の良さは変わらないようです。

時代劇ファンなら「東映太秦映画村」もお忘れなく。

流れ橋(上津屋橋)
住所:〒614-0000 京都府八幡市上津屋宮前川端
通行期間:通年一日中(台風で流れてしまうと復旧まで通行止め)
通行料:無料
駐車場:なし
最寄駅:なし(京阪八幡市駅からバス25分+徒歩3分、近鉄大久保駅からバス10分+徒歩10分)

自然美と恋物語の「勧修寺氷池園」

勧修寺(かじゅうじ)は、京都市山科区にある門跡寺院で真言宗山階派大本山です。醍醐天皇が宮道弥益邸宅を改めて建立され、藤原高藤の号名から名付けられました。「勧修寺氷池園」と呼ばれる庭園が景勝とされています。

庭園の門をくぐると最初に宸殿が見えます。奥の書院は京都市指定有形文化財です。1697年頃に明正天皇の御殿を下賜されたもので、江戸時代初期の御所の建物です。明治以降に一時期は小学校として使用されたこともあったようです。ちなみに奈良国立博物館所蔵の国宝「刺繍釈迦如来説法図」は元々は勧修寺の所蔵で、第二次大戦後に国有になったものです。つまりそれくらい歴史のある由緒正しい寺です。

水戸黄門さまが寄進したとされるユーモラスな佇まいの「勧修寺灯篭」は、樹齢750年の「偃柏槙(ハイビシャクシン)」に周囲をびっしりと覆われています。この写真に写っている枝葉は、広範囲に伸びた樹の一部分でしかありません。

庭園の中心にある「氷室池」は、大小3つの島が浮かぶ2万平方メートルもある広大な池です。島には鷺が巣を作り景色の一部として取り込まれています。写真奥に見える「千年杉」の枝にとまった鷺の姿はそれだけで水墨画の世界です。素人がテキトーに切ったシャッターでも、このハイクオリティな写真が撮れます。平安時代の毎正月には、この池に張った氷をに宮中に献上し、氷の厚さで五穀豊穣を占ったそうです。

池泉回遊式の庭園なので、池をぐるりと回ろうとすると「この先 行かれるのはご自由ですが大いに危険」の看板。そう言われると行くしかない。と先へ進むと。

看板の先には石仏がありました。さらに奥へ進むと氷室の池を裏側から望むことができます。鷺の様子も間近に。千年杉の側まで行くと、そこにも「危険」の看板が。上から鷺の糞が降ってくるのでそういう意味でも危険です。行き止まりにはならずに、池正面まで戻って来れるので「危険」を承知で足を運んでみるのも一興です。春から夏にかけてが、池の草木が美しい季節だと思います。

余談ですが、寺の名前の由来となった藤原高藤ですが、彼と宮道弥益の娘の列子(たまこ)との恋物語を「玉の輿」の語源とする説もあります。勧修寺は元々は宮道弥益の邸宅であり、偶然に雨宿りをした高藤が列子と出会った場所です。婚活中の女子の皆さんは、ここを訪れると『今昔物語集』にも描かれている「玉の輿のステキな出会い」のご利益にあやかれるかもしれません。

勧修寺
住所:京都府京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6
最寄駅:京都市営地下鉄東西線小野駅
休日:年中無休
拝観時間:9:00~16:00
拝観料:400円
問い合わせ:075-571-0048