矢田寺「かぼちゃ供養」

今日は矢田寺(矢田地蔵尊)で「かぼちゃ供養」が営まれたので参拝してきました。

日本では古くから、一年の中で最も日照時間が短くなる冬至の日(日本では1956年から2202年までは12月21日か22日、1955年までは23日の年もあった)に、祈祷されたかぼちゃや大根を食べるとその日から一年間は無病息災になるご利益があるとされています。かぼちゃ焚きの無料接待は10時から始まりましたが、その時刻には商店街に長蛇の列ができていました。

矢田寺の堂内には、祈念しながら撫でると中風除けや諸病退散にご利益のあるとされる祈祷済の巨大な「撫でかぼちゃ」が安置されています。この「撫でかぼちゃ」は、12月になると奉納されて暫く安置されています。

堂内で祈念をしてかぼちゃ焚きを頂きます。千本釈迦堂での「大根焚き」は1000円もしますが矢田寺は無料で配布してくれます。貧乏人にはありがたいこの優しさは、まるで本尊の「代受苦地蔵」さんのようです。今日の京都はしばしば雪がチラつく寒さで、並んでいる間にすっかり冷えきってしまった身体に、熱ーいお茶と美味しく焚かれたかぼちゃが心の奥まで染みました。12時くらいに寺前を通ったときには行列は減っていて未だ無料接待中だったので、11時半くらいに行けば並ばずにかぼちゃを頂けます。

来年も家族全員が健康で過ごせますように。

実は「冬至」に何かをする風習というのは世界中にあって、中国では餃子を食べながら家族団欒で冬至日を過ごす風習があります。そしてこの時期で最も有名な風習で日本にも定着しているのが「クリスマス」です。元々はキリスト教とは全く無関係の風習で、太陽の力が最も弱まる冬至日が無事に過ぎ去ったことを祝う冬至祭(ユール)がクリスマスの起源とされています。日本でクリスマスがここまで浸透した背景には、昔から冬至を過ごす風習があったからだろうと思います。太陽への感謝は即ち、自分が生かされている存在なのだということを再認識する意味で、とても大切なことだと思います。

かぼちゃ供養
場所:矢田寺
住所:京都市中京区寺町通三条上る523
電話:075-241-3608
開催日:毎年12月23日
日時:10時から
無料接待:10時から先着1000名までかぼちゃ焚きを無料で配布。無くなったら終了。

矢田寺の「送り鐘」と「代受苦地蔵」

雨の日の観光スポット、京都の繁華街と言えばアーケード街です。複数の商店街が交差した繁華街にはたくさんのお店が軒を連ねています。観光地と言うよりは地元民が普通に利用しているお店が多いです。全国チェーン店も多数。そんなアーケード街のひとつである寺町三条商店街の中に「矢田寺」があります。

「矢田地蔵尊」は、別名「代受苦地蔵(だいじゅくじぞう)」と呼ばれていて、地獄の業火をまとった約2メートルの大きな立像です。気のせいかもしれませんが、この「業火」のパーツは、像の前に置かれていたり後ろに置かれていたりするような気がします。未確認。

この地蔵には所以があって、あるとき小野篁(おののたかむら)が閻魔大王の招待を受けて満慶上人を地獄へと案内したそうです。そのとき地獄の業火の中で苦しむ罪人たちを救っている僧に出会いました。その僧は「私は地蔵菩薩である。娑婆に帰ったら私の像をつくれ。そうすれば生者も済度しよう」と告げたそうです。

地獄から帰ってきた満慶上人は、西暦845年に郡山矢田寺に模した別院を五条坊門に建立し、地獄で出会った地蔵菩薩を模した代受苦地蔵を本尊としました。その後は寺地を転々としながらも1579年に現在の場所に落ち着いたそうです。

境内と呼べるスペースはほとんど無く、アーケードからすぐお寺の中に入ったような感じになる身近さです。中に入ると何故か温かな雰囲気があってほっとします。何度も転地しているので、ここが実は「パワースポット」ということでもなさそうですが、それも矢田地蔵尊の力なのでしょうか。地獄の業火をまとっているのに不思議と親近感を抱かせる優しいお地蔵さまです。

正面に吊るされた「送り鐘」は、お盆のときに、六道珍皇寺で「迎え鐘」を撞いて先祖の霊を迎え、この矢田寺で「送り鐘」を撞くことで先祖の霊を再び冥土へと導くことになっています。毎年8月16日になると大勢の人が「送り鐘」を撞きに参拝します。

矢田寺
住所:京都市中京区寺町通三条上る523
電話:075-241-3608