青紅葉とオロチ舞う、貴船神社「貴船祭」

貴船神社(きぶねじんじゃ)では2012年6月1日に貴船神社最大の祭儀「貴船祭」が行われました。

明治維新後に現在の新暦6月1日に行われるようになった「貴船祭」ですが、それ以前は旧暦4月1日に行われており、貴船神社付近の山間に茂った虎杖(いたどり)を神職らが摘んでその本数を競ったことから「虎杖祭(いたどりまつり)」とも呼ばれていたそうです。

-行事スケジュール-
11:00 本宮 齋行
11:30 本宮 舞楽奉納の儀
13:00 本宮 神輿発輿祭
13:30 町内 神輿巡幸
15:00 奥宮 齋行
15:30 奥宮 こども千度詣
15:45 奥宮 招福餅まき
15:50 奥宮 出雲神楽奉納の儀
16:40 奥宮 神輿発輿祭
17:00 町内 御輿巡幸
※天候や道路状況で行事進行は前後します。

全国各地に約500社の御分霊社があり「貴布禰総本宮」と仰がれる貴船神社ですが、氏子は20世帯しかありません。そこで御神輿の担ぎ手は貴船だけでなく鞍馬や島根県の貴船神社氏子の若者たちが協力して行われています。本宮を出発した御神輿は貴船の氏子市中を巡ってから奥宮へと向かいます。15時過ぎに御神輿が参道を通って奥宮に到着すると神職による祝詞が奏上されます。

その後に地元の子どもと忌み串を手に「おせんどんどん」と声を掛けながら「船形石」を巡って一周ごとに忌み串を船形石の窪みに投げ入れて健やかな成長を祈願する「こども千度詣」が行われました。子どもの後に一般参拝者も続きました。参加した子どもはお菓子を貰って大喜びしていました。続いて行われた「招福餅まき」も御神輿前から景気良く餅がまかれて境内が大いに盛り上がりました。

「出雲神楽」は島根県雲南市の貴船神社と安来市の貴布禰神社それぞれの宮司と氏子で構成された出雲神楽奉納団によるものです。『古事記』に描かれた八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の退治神話に基づいた神楽で、ヤマタノオロチ役の口から火を吹く演出に驚かされました。他の神楽よりもコミカルな動きが多く、大人も子ども存分に楽しんでいました。

 →その他の写真「http://img.tokotokoto.com/index.php?album=kibunematsuri2012/
 →過去記事「もみじ流る、秋の貴船神社
 →過去記事「150年ぶりの貴船神社 附曳神事

貴船神社「貴船祭」
開催日:毎年6月1日
住所:京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
ホームページ:http://kibune.jp/jinja/
拝観料:無料
最寄駅:叡電「貴船口駅」徒歩2km、京都バス「貴船バス停」からすぐ

150年ぶりの「附曳神事」

12月26日に貴船神社(※過去記事)の奥宮本殿解体修理事業に伴い、雪が残る寒冬の白に覆われた境内で、特殊神事である「附曳神事(ふびきしんじ)」が営まれました。

奥宮本殿の真下には、誰も見てはいけない「龍穴(りゅうけつ)」があります。これを人目に晒すことなく解体修理作業を行うために、奥宮本殿を東側の「権地(ごんち)」に曵き移す神事が「附曳神事」です。当然ながら奥宮本殿修理のときにしか営まれることはないので、この神事が営まれたのは150年ぶり。神職の話によると次にまた営まれるのはおそらく150年〜200年後になるだろうとのことでした。

12月3日に御仮殿に神御は遷されているので、まずはそこでお祓いと玉串奉納が営まれました。その後に、奥宮本殿の前に全員が移動して「附曳神事」が始まります。この神事の最中は、奉仕員・参列員、境内にいる全ての人間は「一切言葉を発してはならない」とされていて、神事の間は皆が榊の葉を口に咥える習わしになっています。なるほど、これなら口を開けて音を発する心配がありません。

奥宮本殿の西側の裾に龍穴を覆えるサイズの作業用シートが結び付けられています。本殿は既に移動可能な状態に転棒で浮かせてあるので、氏子さんたちが綱を曵くと奥宮本殿がズズっと動き始めます。奥宮本殿がゆっくりと動くのに合わせて、口に紙を咥えた神職たちがシートを龍穴に被せて、龍穴が絶対に誰からも見えないように気をつけます。こうして無事に奥宮本殿は権地へ移されました。ここで全て解体し、使える古材は出来るだけ保存して、古い形態のまま改修されて新たな奥宮本殿が建てられます。

紅葉の時期も良いですが、観光客がグッと減る冬の貴船神社一帯も、真っ白な雪と苔の緑とのコントラストに風情があります。すごく寒いですが。

 →その他の写真「http://img.tokotokoto.com/index.php?album=kifunefubiki/

貴船神社「附曳神事」
日時:2011年12月29日11:00から
住所:京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
開門時間:5月ー11月は6時から20時、12月ー4月は6時から18時
ホームページ:http://kibune.jp/jinja/
拝観料:無料